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コロニス 「孕みましたわ♪」
アポロン 「よしよし、体を大切にしろよ」 コロニス 「はい♪」 恋多き神・アポロン。 彼には白いカラスが仕えています。 白カラス 「あれは……?」 男 「あの……、心に決めた方は?」 コロニス 「いませんわ」 白カラス 「なななな何ですって!? ああ、これは大変です! アポロン様に知らせないと!」 白カラス 「アポロン様! アポロン様ー!」 アポロン 「どうした、騒がしい」 白カラス 「大変です! この間、アポロン様のお子様を孕んだ、コロニスと言う人間がっ!」 アポロン 「コロニスがどうかしたと!?」 白カラス 「アポロン様、卒倒なさらないでくださいね! あのコロニスときたら、アポロン様と言うお方がおられると言うのに、男の求婚を受けていたんです!」 アルテミス「まあ!」 白カラス 「ひどいでしょう!? しかも何て言ったと思います? 『心に決めた方はいませんわ』と! アポロン様がおられるのに、『いない』と! ああっ、汚らわしい! 不潔です! 何か罰を与えてやりましょう!」 アルテミス「兄上! カラスの言う通りよ! 懲らしめてやりましょう!」 アポロン 「ああ……!」 コロニスの不貞を聞いて我を失ったアポロンは、弓矢を手に取り、コロニスに向けて矢を放ちました。 コロニス 「あっ……!」 アルテミスはコロニスの一族に向け、疫病と言う名の矢を雨霰の如く放ち、数多の人々が死んで行きました。 ヒュプノス「ハデスさま〜!」 タナトス 「ハデス様〜! 大変大変!」 ハデス 「どうしたの? Σって何なんだおっ!」 タナトス 「たくさん人が死んで大変なの〜!」 ヒュプノス「タイヘンなの〜!」 ハデス 「あわわわわっ、と、取り敢えずタナトスは連れて来れるだけ連れて来て! カロンにもそう言ってね!」 タナトス 「行ってきま〜す!」 ハデス 「ヒュプノスはヘルメスを呼んで、手伝ってもらって!」 ヒュプノス「わかった〜!」 ハデス 「アイアコス、ミノス、ラダマンテュス、もう死んでるけど死ぬ気で頑張って! 俺も頑張る!(グッ」 3人 「またですか、あの双子は……!」 アポロンの矢を受け、瀕死のコロニス。 最後の力を振り絞ります。 コロニス 「せめてもう少し待っていただけたなら、お腹の子は道連れにならなくて済みましたのに……」 その言葉にようやく一握りの理性を取り戻し、アポロンは必死になってコロニスを助けようとしますが、とうとう彼女を助けることはできませんでした。 アポロン 「貴様のっ……、貴様の所為だ!!」 カラス 「それ何て八つ当たりィィィーッ!!!!!!!」 アポロン 「嗚呼っ、私は私が憎い! どうして、どうしてコロニスを撃ってしまったんだ! どうして冷静になれなかったんだ! どうしてカラスの言葉を信じてしまったんだ! コロニス……、コロニス……!」 彼女の名を叫ぶアポロンには、理性の神の面影がありません。 大切な竪琴も撥も弓矢も放り出したまま、髪を振り乱し、今までその髪を飾って来た月桂樹の葉が地に落ちても尚、彼女の名を叫びます。 やがて理性が戻ると、アポロンはコロニスに香水を振り掛け、何度も何度も抱擁しました。 アポロン 「……コロニス……、そして名も無き我が子よ……!」 ヘルメス 「ん、こいつのことかな?」 人間の魂はタナトスが、英雄や神の血を受け継ぐ者の魂はヘルメスが、それぞれ冥界へと導きます。 コロニスが宿した命は、アポロンの血を受け継ぐ者。 本来ならヘルメスが冥界へと連れて行くのですが、彼はアポロンの子供を火葬中のコロニスの腹から救い出し、アポロンの許へと届けました。 アポロン 「ヘルメス! 良いのか、こんなこと……! ハデスが知ったら……!」 ヘルメス 「良いも悪いも、体が動いちまったんだ。仕方ないだろ」 こうして、アポロンとコロニスの子は、アスクレピオスと名付けられ、ケイロンに預けられました。 PR |
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